東海地区大物機械加工懇談会

「海外研修会」を4年ぶりに開催しました。今回の視察先はタイ王国で、2014年以来10年ぶりの訪問となりましたが、15人の参加者のもと実施しました。

■ 2月15日
ツアー初日、2月15日は定刻の午前11時に中部国際空港を出発。現地時間午後3時40分にタイ・スワンナプーム国際空港へ到着しました。空港からは専用バスでホテルへ移動しチェックイン。市内のレストランで夕食を済ませ初日の行程は終了。

■2月16日
午前中にテクノプラスト・タイランド、午後からMRPエンジニアリングの工場視察を行いました。予想された交通渋滞もなく、移動時間を含め順調に行程を熟すことができました。

テクノプラスト・タイランドでは中村明社長の出迎えを受け、さらに中村社長自らプレゼンに立っていただきました。会社概要の説明から工場視察、質疑応答まで約1時間の滞在でしたが、タイ経済の概況から雇用環境、景況感などについて詳しく話を聞くことができました。

同社は2014年4月にテクノプラスト・タイランドを設立しており、進出から今年でちょうど10年の節目を迎えるとのことでした。同社は樹脂の精密加工を得意としており、量産品ではなく、多品種小ロットの加工に特化しているのとのことでした。進出当初はレンタル工場での操業でしたが、2020年に現在の土地を取得すると同時に工場を建設。「現在は自社工場にて21名の従業員とともに仕事に汗を流している（中村社長）」との説明でした。

タイ事業において最も大事にしているのは人材育成で、日本とタイの技術者交流を活発に行いながら従業員一人一人の成長を促しているそうです。また社員との意思疎通も重要との考えから「機会を見つけてはこまめにコミュニケーション取っている（中村社長）」とも言っており、社員を大事にする社風が伝わってきました。

進出当初は苦労が絶えなかったようですが、現在の社業は順調に推移しているようで、タイ工場をハブに東南アジアにさらに2か所の営業拠点を構える構想もあるようです。

午後からのMRPエンジニアリングでは、谷研一郎ジェネラルマネージャー（以下略称GM）をはじめ、多くのスタッフの皆さんの出迎えを受けました。同社は現地ローカル企業で1991年設立。本社工場の敷地面積は320000平方メートルで従業員数は400人。大型機械加工や製缶加工を主力としており、自動車や航空宇宙・鉄鋼・電力・造船・化学・建設など、多くの分野向けに高品質な製品を提供しているとのことでした。「多種多様な超大型機械を保有しており、タイでは最大級の設備と工場規模を誇るのではないか（谷GM）」とのことでした。

タイ屈指の総合エンジニアカンパニーという位置付けのMRPエンジニアリングですが、工場視察は第4工場から第1工場という流れで現場を見せていただきました。

第4工場は製缶工場で、大型のプレス機械や溶接機を備えており、シールド掘削機のヘッド部品やプレス機械のベッド、航空機エンジン部品などの加工を行っていました。担当者の話として、ここ最近は航空機関連の仕事が増えているとのことでした。

第3工場は材料加工工場として稼働しており、材料の切断に用いるガス切断機や1000トンクラスのプレス機、全自動溶接機などが稼働していました。

第2工場は機械加工、アッセンブリー工場としての位置付けでプレス機械のヘッド部分の組み立てや大型のバタフライバルブなどの組付け作業を行っていました。

第1工場は中型・小型ワークの機械加工工場でしたが、マシニングセンターやNC旋盤、5面加工機などが数多く設置されていました。

同社では、機械加工以外に広い敷地を利用したレンタル工場サービスも展開しているとの説明でした。すでに稼働しているレンタル工場もあり、一部には日系企業が入居しているとの説明でした。「新たなレンタル工場も建設中で、タイに進出する際の一つのツールとして考えていただければ（谷GM）」との説明でした。

■ 2月17日
研修会最終日は観光班10人、ゴルフ班5人に分かれての行動となりました。観光班は、ダムヌンサドアック水上マーケットを中心に半日の観光を楽しみました。ゴルフ班は、バンコクから南に位置するビンテージゴルフクラブにて親睦ゴルフを実施。海外ならではの5人1組でのラウンドでしたが、35度を超える暑さの中、現地でのゴルフをエンジョイしました。

帰国に向け、夕方７時にホテルをチェックアウト。市内のレストランで夕食を済ませてからスワンナプーム国際空港へ移動。現地時間深夜12時にタイを出発。2月18日早朝にセントレアへ到着し、4日間の行程を無事に終えることができました。

当会としては、4年ぶりの海外研修会でしたが、現地タイの経済情勢や雇用環境、物価動向などを知る良い機会になったと思います。

今回、工場視察でお伺いさせていただきましたテクノプラスト・タイランド、MRPエンジニアリングの関係者の皆様には大変おせわになりました。この場を借りて深く感謝申し上げます。